ゴリラのようちゃん介護日誌〔8〕

 最初は屈託のない笑顔だが段々煮詰まって辛くなる。Pは思いのたけを十二分にも話してくる。12ミニツではなくそれは延々と続行で、終いにはこっちの頭が痛くなってくる。病気をすれば段々攻撃的になってくる。これは一理ある。なんか、つっかかった物の言い方で私の神経を逆撫でしてくる。そんな風に採ってはいけないと、理性では分かっているものの、やり返してしまう切なさ。そして刹那さ。自分が介護に向いてないな!!とは思うもののこれしか今はない。子供たち全員からお父さんのこと頼むよ!!って委託を受けている。途中で嫌になったと退くことは不可能だ。彼は健康な人を見ると、どうしようもなくイライラが募るという。自分だけがなぜ、こんな目に??って、落ち込む。終いには妻が掃除をしなかったから自分の肺はここまで悪くなったのでは?って。胃がんの時も確かに食べものが良くなかったのでは?と親戚から言われたことはあった。私には実は、やり返す言葉も出ない。随分とこれまで反発してきたからだ。しかし次の瞬間だった。やっぱりPにやり返していたのだ。彼はびっくりしたように一瞬は驚くがその後、満面の笑みになる。そうこなくっちゃあ、それがゴリラのようちゃんだよ!!って。とめどなく嬉しかった。