デニム・ブルーママン21の14

 私はミチに、総勢何人が一家にいるのか?質問しようとして一歩下がりました。これ以上質問しては、いけない。興味を、持つことが、親密に加速を掛けてしまう…と。なんと言っても理想の男性像がありました。私の兄のように、弁論にたけるスマートさは必須なんだと…しかし、私は、一介の教師で、両親もありません。兄や、姉妹もそれぞれ家庭を持ち、自分だけ、蚊帳の外にある現実…それは途方もない独身砂漠の前触れであることが分かっていただけに、戸惑いは尽きないでいたのです。家族何人で同じ屋根の下に棲むか?それを尋ねようとした時です。ミチは涼しい顔で、ふたりっきりで結婚生活をスタート出来るわ!と軽妙に話すのです。今の時代は、家を継ぐという方式は、最初から取る必要ない…って。私も同居は嫌でした。