デニム・ブルーママン21の6

 

父からあれほど頼まれていたにも拘らず、母は私が伊良林小学校から戻ると、冷たくなっていました。1954年3月16日のことです。往診の先生を呼ぶけど母はこの世に戻ることはなく、私は涙に暮れて父に謝るのです。どうか、お父さん、私を許して下さい。しかし、父はまた私の前に現れ、大事な話をしたいと目の前に図式を見せて説明するのです。戦後…11年経過してお前には可愛い娘が授かる…だから、それを、伝えに来た。男子ではないよう、僕は力ずくで談判した。遺伝子配置を替えてまで、それをやったのは……なに?お父さん、何を言おうとしているの?この国で男子は負け犬になった…しかし、女子は綺麗なままだ。父はそれを言うといなくなっていたのです。