プライベートキャロル☆35年前の母子手帳☆

 鬼娘のことをもう少し理解し、腹が立ってもお互いよく話し合うことが大事だなって気付きを頂いたのも、35年前の母子手帳が二階の部屋から出てきたからだ。神妙な面持ちでそのページを恐る恐るめくる・・・あたしはまだ、若い。31歳。何も怖いものを知らない不埒な31歳。この結婚を実は躊躇していた。子供を産むことを凄く迷っていたのだ。私がある程度、未来を予測出来る能力を持っていることも関与だった。辛いことが多過ぎることが事前にわかっていたのに、どうしてもチャンレンジャーとしての興味を振り払うことが出来ず挑戦した。私の若さや闘争心がそのまま逃げることをよしとはしなかったことは言えただろう。私は堅物と呼ばれた人物の本髄を知りたかったのだ。どれくらいの生活意識で人生を生きているのか?自分はほんわかほんわか、甘やかされ育って、ビンタも一回もされたことがない。しかしながら世の中のほぼ皆が厳しく育成されていること・・・薄々知っていた。自分のような人間には堅物は合わない。けど、合わないで終わらせる私ではなかった。籍を入れて35歳まで私は悶々と悩みを抱えて過ごした。あのときの狂おしい葛藤が、今の西嶌姫瑠の作風の核心になっている。