デニム・ブルーママン21の12

 

ファザーコンプレックスだった私の性格がある時、最高の境地を得たのも、父が、直に褒めてくれたときでした。頭を使う仕事であっても、そうでなくとも、気負いは必要はない…と話してくれたのです。父はまず私の学習態度を評価してくれました。大人しく、芯は強い私を、褒めつつ、人と常に比較する人生を歩むことにノーサインを出して来ました。人は、肝心なとき、意外な程、スルーする…。見て見ぬふりだ。しかし、自分の中で培うものは、見劣りがしない…と。それだけを私に伝えたことを覚えています。ミチは、私が父を失う二年前にお父さんを亡くしていました。ミチの父親は、のぼりを作るのが生業だったようです。